今回はスマホゲームの「画面の向き」についてです。
基本的には縦画面、横画面のどちらかしかないのですし、割と決める際もそこまで難航はしないのですが知っておくとあとで困ることがないよ的なことをまとめます。
スマホゲームの縦画面と横画面を考える前に
まず基本的なことから振り返ってみます。
縦画面と横画面、そもそも分かれたのはなぜ?
ここからは個人的な考察です。
スマホゲーム、いわゆるソーシャルゲーム(ソシャゲ)が流行し出したのが2007年、greeの「釣りスタ」のヒットからだと言われています。
その流れでgree、mobageを始めとするSNSでのゲームが大流行しました。
当時はガラケーでのソシャゲ(ポチゲーと言われたりも)が主流でしたので、当然画面は縦画面。
また、その数年後にはiphoneが登場しました。その当時はまだスマホも縦持ちで使う前提であったように思います。
SNSを介さずにappストアやgooglePlayからダウンロードできるアプリ、例えばモンスターストライクやパズル&ドラゴンズも当時は当然のように縦画面のアプリとして登場します。
そこから一気にスマホアプリが大量に開発され出すのですが、サクッと遊ぶよりもじっくりと没入するようなゲームも登場するようになりました。
そうなると、片手ではなく両手でプレイできるよう、横画面での操作に移り変わっていきます。
また、スマホのスペックも上がり、各デベロッパの技術力も向上、PCゲームやコンシューマーのゲームをそのままスマホに移植することができるようになりました。
ここから縦画面と横画面のアプリが分かれていくことになったのではないかと考えています。
縦画面と横画面の乱立
このような形で、縦画面と横画面のアプリが続々とリリースされてきましたが、実際にそれぞれがどのような特徴があるのか、それをここからまとめていきます。
ざっくり言うと「操作性」と「ビジュアル表現」、この辺りに大きな影響があります。
縦画面と横画面の場合のスマホの持ち方
前述したとおり、スマホやアプリの成熟によって縦画面と横画面が乱立するようになりましたが、ポイントとしては下記の基準が分かりやすいです。
縦画面:カジュアルゲーム、隙間時間で遊ぶゲーム
横画面:コアゲーマー向け、じっくり腰を据えて遊ぶゲーム
縦画面の場合の操作性
縦画面だと例えば「片手で操作」「左手でスマホをもち、右手の人差し指で操作」「画面下部を両手で操作」と大抵はこのパターンです。
この持ち方により、比較的簡単な操作で事足りるようなゲーム性のアプリが多く、通勤などの隙間時間で軽く遊べるものになっています。
例で言うと、ツムツムやパズドラ、モンストあたりですね。
横画面の場合の操作性
横画面だと「両手で操作」「両手で持って、右手で操作」と両手持ちがほぼ必須のパターンです。
これにより、両手を複雑に操作する難易度のやや高めのゲーム性のアプリに対応することができます。
とはいえ、PCブラウザゲームをそのまま移植したり、両手持ち以外の利点を生かすために横画面にするケースもあり、一概に横画面=操作が難しいゲームではないことは注意。
縦画面と横画面でキャラの表示領域が異なる
ここではゲームの最重要ポイント、キャラクターの表示領域について。
縦画面と横画面、それぞれメリットデメリットがあるのでしっかり把握したいポイントです。
縦画面は1人のキャラクターをより引き立てられる
縦画面はまぁご存知の通り、縦に長いです笑
なので、ホーム画面やADVのシーンでは1人のキャラクターを足元から頭のテッペンまで表示できるため、よりキャラクターのビジュアルの魅力を表現することができます。
その場合の欠点としてはテクスチャサイズが大きくなりがちなことでしょうか。
また、2人以上のキャラクターが登場するADVシーンなどでは、キャラクターを小さく配置したり、喋っているキャラクターのみを表示したりと一苦労することがあります。
横画面は世界観をより表現できる
横画面はまぁ言わずもがな・・・
ホーム画面やADVのシーンで1人のキャラクターを表示する場合、膝上あたりから頭、くらいの表示領域が定番かと思います。
また、これによってキャラクターの周囲に一定のスペースができるため、世界観を表現した背景イラストを用意したりする必要があります。
縦画面よりも横の広がりを意識した背景が必要となるので、描き込みが必要な分キャラクターとその世界観を存分に表現できます。
また、2人以上のキャラクターが登場するADVシーンは、割と余裕を持ってキャラクターを配置できます。
キャラクター同士の掛け合いを意識したゲームであれば魅力を存分に引き出せるでしょう。
アスペクト比の対応
昨今はスマホの大型化、変態縦長スマホなど開発者泣かせの環境になっており、また対応しないと各プラットフォームでリジェクトの対象になったりと厳しい状況です。
縦画面と横画面でも、アスペクト非対応で若干気にすべきポイントも変わってきます。
アスペクト比対応は横画面の方が比較的、楽です
例えばiPhone8などの16:9の比率を基準として開発した場合、iPhoneXなどの2:1に対応する場合はそのまま長辺がより長くなります。
縦画面の場合は、余白が縦に広がってしまいます。
要素を上下、そして中央に合わせてしまうと余白がより目立つ結果になってしまいがち。
対して横画面の場合、背景画像のみの表示領域を広げるだけで済んでしまう場合もあり、ビジュアルにそこまで注力せずに対応できたりします。
縦画面、横画面を決める際はゲームの特徴をしっかりと考えて決めよう
まとめとしては、流行っているから縦画面、横画面と決めずにしっかりとゲームの特徴を考えて決めることです。
とはいえ、基本的にその辺の開発会社であればベンチマークタイトルを決めて開発することがほとんどなので、あまり縦画面横画面と悩むことは少ないとはず。
ただし知っておくだけでも後々の後悔は減るのできちんと見定めて初期開発に役立てましょう。