今回、ゲームのUIデザイナーが売り上げに貢献するには、というテーマで話したいと思います。
主にアプリゲームだと、下記の計算式をよく目にすると思います。
売上(1日)=DAU×課金率×ARPPU
DAU:1日のユニークログイン数
課金率:全体のユーザーから、課金する人数の割合
ARPPU:課金する人の平均単価
それぞれの数値をより良い形で向上させることで、ゲームの売上に貢献することができます。
UIデザイナーがどう貢献していくか
UIデザイナーが売上に貢献するには、上記の計算式の各項目に応じて意識する必要があります。
もちろん、UIデザイナー単体で完結することはほぼなく、チーム全体でより良いゲーム体験を提供できた結果にはなるのですが、それをするためにUIデザイナーも最大限の意識や努力が必要になります。
UIデザイナーがDAUに貢献するには
DAUを上げためにUIデザイナーが出来ること、を考えてみましょう。
ゲームの売上を上げるためにはまずユーザーに、ゲームにログインしてもらう必要があります。
そのための施策にログインボーナスがあり、デイリーミッションがあり、ゲームによっては1日1回の無料ガチャを用意していたりします。
それらの施策がよりユーザーに伝わるようなデザイン、魅せ方や遷移を考えることがUIデザイナーの業務となり、注力すべき点になってきます。
ただし、これらはどのプロジェクトでも当然意識しているため、それ以上の効果を上げるための要素が必要になります。
DAU増加のために、ファン化を意識しよう
UIデザイナーがDAU増加のために意識するべき点は、ユーザーのファン化です。
これはどういうことかというと、例えばあなたのお気に入りの服のブランドやプロダクト、タレントやミュージシャンなど、贔屓にしてしまう存在があると思います。
ゲームでもファンになってもらうというのが重要。
そこでゲームのビジュアルや雰囲気、世界観の大きな部分を担うUIデザイナーが意識することでファンを増やすことができます。
ファン化のためのアイデアや作り込み
あなたが何かのファンになる、気にいる時、どういった点でその存在を好きになるでしょうか。
おそらくまずはビジュアルから入って、その存在が持つストーリーや質感、人物であってもバックボーンや発言、趣味嗜好などがあると思います。
ゲームUIでも、まずはビジュアルの作り込み、クオリティを上げていくことが重要です。
要件さえ満たしていれば、そこまで作り込まなくても、、と思う方もいると思いますが、それだと数あるゲームの中に埋もれてしまいます。
主役であるキャラ、そしてシナリオ、世界観にマッチし、かつ邪魔しないUIではなく、魅力を引き出すための作り込みが必要だと考えています。
そして加えて重要なのがアイデア。
単純に作り込まれたクオリティの高いビジュアルだけではユーザーの記憶に定着させるのは難しく、感情を動かすほどのアイデアが必要です。
記憶は感情とリンクする、という話を聞いたことがあります。
UIデザイナーもビジュアルを作る仕事なので、感情を動かし記憶に残るものを生み出してこそ、ゲームの各数値に貢献するために意識するべきではないでしょうか。
もちろんすでに漫画やアニメ、オリジナルのゲームがある場合はすでにファンがいることが大半なので、元の人気をそのまま持ってくるケースも多分にあります。
それに甘んじることなく、UIデザイナーがその魅力を最大限に引き出し、毎日ログインしたくなるような仕掛けをデザインしていきましょう。
UIデザイナーが課金率に貢献するには
課金率を上げるために、これも小額のガチャ商材、アイテム商材を販売したり、期間限定のお得な商材を販売する施策を打ったりします。
プランナーがどういう訴求で売っていくかを考えて仕様化し、それに沿ってユーザーに見えるように形にするのがUIデザイナー。
どの画面で、いつのタイミングでどのような訴求をするか、仕様の内容で足りない場合はデザイナーからも提案し実現していく必要があります。
ユーザーはただお得だから買うのではなく、それをするとどんな良い体験が出来るのかが明確でないと買わない。
そのために、課金をした先でどんな体験ができるのか、お試しでユーザーに体験できる場を設けたり、わかりやすい訴求が重要になります。
課金しても良いと思えるクオリティでリリース、そして維持
流行り廃りの流れが早いスマホゲームでは特に、リリースして数ヶ月してサービスが終了することも多々あります。
まずはユーザーが安心して楽しめるクオリティで制作する必要があります。
どんなモチベーションで開発、運用したのか、クオリティでユーザーに勘付かれる可能性は十分にあるため、「このアプリは息が長そうだな」「周りの人にも勧めたい」と思われるようなクリエイティブを心がけましょう。
長く遊んでいるユーザーが少額でも課金してくれる可能性が出てくるので、重要な要素です。
また、必要な要素のみのデザインだけでなく、遊びを感じるような要素を取り入れると、開発者が楽しんで制作している感が伝わるので意識してみましょう。
UIデザイナーがARPPUに貢献するには
ARPPU自体、ユーザーとしては課金額をなるべく抑えたいところではありますが…
施策ではステップアップガチャや、より強力なおまけ付きの商材を販売したりすることがあります。
これも適切な訴求で、ユーザーに届けるのがUIデザイナーの役割になってきます。
商材に機能外の付加価値を付ける
UIデザイナーがARPPUに貢献するには、その商材(キャラやカード)が持つ効果以外の付加価値を付けることです。
例えば遊戯王マスターデュエルやポケポケ。
稀に特殊な加工が施されたカードが排出されることがあります。
実際、普通の加工と特殊加工、やれることは変わらないのですが、お気に入りのカードは特殊な加工が欲しい等の欲求を刺激することができます。
仕様化の時点でそういった要素がなくても、ビジュアルを構成するUIデザイナー側から無限に提案することができるはずなので、自社タイトルでそういった可能性を秘めた要素を探してみましょう。
まとめ
UIデザイナーでも、プロダクトのユーザーや数値などに貢献できるポイントは沢山あります。
多くのユーザーに楽しんでもらえるような、ファンになってもらえるクオリティの高いビジュアル表現。
開発者の熱量が感じられるような遊び心ある隠れたこだわり。
そしてユーザーの欲求を刺激する仕掛けを幾重にも施して、楽しい体験を提供していきましょう。