ゲームを何度もプレイしたくなる仕組みとは
はじめに
ゲームを設計する際に、プレイヤーが何度もプレイしたくなるような仕掛けを意識していますか?
「プレイヤーが何度もプレイしたくなるような仕掛け」、それは単なる報酬設計やコンテンツの追加だけではなく、ゲーム内に組み込むべき「気持ちよさ」です。
本記事では、プレイヤーが繰り返しプレイしたくなるような「気持ちよさ」を生み出すためのゲームデザインについて、具体的な例を交えながら考察していきます。
ゲーム内の気持ちよさを設計する
プレイヤーがゲーム内で「気持ちいい」と感じる瞬間は、行動とそのフィードバックが直結しているときです。
具体的な例として、以下のような状況でプレイヤーは強い快感を得ます。
- 敵を倒した瞬間(アクション性の高いゲーム)
- スキルを駆使して特大ダメージを与えた瞬間(RPG・戦略ゲーム)
- レアアイテムを手に入れた瞬間(収集・育成要素)
- 試合の結果が劇的に決まる瞬間(対戦型ゲーム)
こうした瞬間を意図的に演出し、プレイヤーに「また体験したい」と思わせることが、ゲームのリテンション向上に直結します。
具体例1:スプラトゥーンの気持ちよさ
任天堂の『スプラトゥーン』は、プレイヤーに「気持ちよさ」を強く感じさせる仕掛けが数多く組み込まれています。
特に以下のような要素が、プレイヤーのモチベーションを刺激しています。
- インクを的確に当ててキルを取る瞬間
- 遠距離から狙いを定めて一撃で仕留める瞬間
- 試合終盤、僅差で勝利が決まる瞬間
これらの要素をさらに強化するために、アニメーション、エフェクト、SE(サウンドエフェクト)が絶妙に組み込まれています。
特に、キルした瞬間の演出が強化されることで、プレイヤーは成功体験を鮮明に記憶し、次のプレイ欲求に繋がっていきます。
具体例2:グランブルーファンタジーの気持ちよさ
Cygamesの『グランブルーファンタジー』のようなターン制RPGでは、異なるアプローチで「気持ちよさ」が設計されています。
このゲームでは、
- スキルを組み合わせて特大ダメージを与える瞬間
- レアドロップアイテムが出現する瞬間
が、プレイヤーの快感ポイントとなります。
特に、レアドロップの演出は秀逸で、通常の宝箱とは異なる「特別な宝箱」が出現する演出が入ることで、「次も出るかもしれない!」という期待感を高めています。
この仕組みによって、プレイヤーは何度も周回プレイを繰り返すのです。
具体例3:ツムツムの気持ちよさ
NHN PlayArtの『ツムツム』はパズルゲームで、分かりやすく簡単な操作、豊富なキャラに付随した様々なスキルが特徴です。
このゲームでは、
- パズルゲーム固有の、消した際の気持ちよさ
- 連続して消去できた時の自信のプレイスキルに対しての気持ちよさ
- 固有スキルの豊富な楽しみ方(画面全体のツムを一度に消したり、連続で大量のツムを消すなど)
がプレイヤーの快感ポイントです。
パズルゲーム自体、身体性を伴う直接的なフィードバックによる気持ちよさがあるのですが、画面が賑やかすぎるほどの数値の表示やエフェクト、コインやスコアが増えていく表現など、消せば消すほどフィードバックも増える点が気持ちよさに繋がっていると考えます。
気持ちよさを強化する設計要素
ゲーム内でプレイヤーにまた次もプレイしたいという欲求を引き出すためには、以下のような要素を意識的に強化することが重要です。
- 視覚的演出(エフェクト、アニメーション):特別な瞬間を印象づけるために、派手な演出を加える。
- 音響効果(SE、BGM):成功体験をより快感にするために、音の設計を工夫する。
- 報酬設計(レアドロップ、スコアシステム):繰り返しプレイしたくなる動機を提供する。
これらの要素を組み合わせることで、五感に対しても刺激を与え、繰り返しプレイする欲求をさらに強める作用があります。
まとめ
ゲームのリテンションを高めるためには、プレイヤーが「気持ちいい!」と感じる瞬間をどれだけ作り込めるかが重要です。
- アクションゲームでは「敵を倒す快感」や「勝利の瞬間」を強調
- RPGでは「大ダメージを与える快感」や「レアアイテムを手に入れる快感」を設計
- 演出(アニメーション、エフェクト、SE)を駆使して気持ちよさを最大化
こういった要素を設計するためには、開発者自身が様々なゲームをプレイし、どの瞬間に快感を覚えるのかを分析することが不可欠です。
その体験を抽象化し、自分のゲームに落とし込むことで、より強度のある「何度もプレイしたくなるゲーム」を生み出すことができるでしょう。
プレイヤーが「また遊びたい!」と思うゲームを作るために、気持ちよさのデザインを意識してみてください。