今回は「NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)」(以下、リィンカネ)について記載します。
このゲームの特徴は以下。
ジャンル | RPG |
対応OS | iOS/Android/Amazon |
開発 | SQUARE ENIX/Applibot |
価格 | 基本無料(一部ゲーム内課金あり) |
リリース日(日本) | 2021年2月18日(木) |
キャラ表現 | 2D&3D |
UIのテイスト | フラット調デザイン、アールデコ調 |
キャラ獲得方法 | ガチャ |
NieR Re[in]carnationのデザインの特徴
フォントサイズ
1080px ×2340px基準でフォントサイズを探ってみました。
実際のフォント通りではないですが、下記のサイズ感になっています。
ヘッダータイトル | 40〜42px | 本文 | 33〜35px |
ヘッダー数値 | 22〜24px | 本文(小) | 25〜27px |
通常ボタン | 29〜31px | 本文(最小) | 20〜22px |
全体的にかなり小さいフォントサイズですが、可読性、視認性の高いフォントが選定されているため、プレイ自体は問題なく進行できる設計になっています。
使用カラー
全体的にダークorベージュ系のトーンです。
意外にも黒ベタな部分が少なく、全体的に退廃的な印象の中にも温かみのある色相やグロー表現がダークな表現を和らげていて、暗い世界観の中にも儚さを感じる色彩設計に思えます。
アクセントカラーに最高レア度表現の虹色を混ぜてますが、全体的に使用色を絞っているので虹色もかなり映える&いやらしくなくトーンとして馴染んでいるので色表現が秀逸だなと感じたので入れちゃいました。
NieRシリーズを踏襲した、システマチックで清潔感のある美しいデザイン

2Bが出ません
全体的なUIパーツのトーンは『NieR:Automata』を感じさせますが、テーマにどこかアールデコ風の装飾美を思わせる紋様があしらわれています。
また、色彩もベージュ系の使用領域がへり、ダークブラウンの色味が増えたように思えます。
『NieR:Automata』からベースカラーとサブカラーを入れ替えたような、そんな印象を感じさせるカラーバランスです。
スマホアプリに落とし込む際の密度感の調整か、あまりにも似たようなデザイン表現になるのを回避したのか、世界観設定のビジュアル表現を突き詰めた結果か、またいずれでもないか、この辺りはインタビュー記事とかが出たら読み込んでみたいポイントです。
アールデコ調の装飾
リスト型のボタンや、ガチャリザルトの背景、ログインボーナスの枠の部分の装飾はアールデコ調のデザイン。
なんとなく、機械がテーマの一部になっている点と、近代化や産業の発展によって生まれたアールデコに親和性を感じてしまいます。
そしてよりファンタジーに回帰したデザインに見えますが、幾何学模様をベースにした装飾が洗練されたデザインになっていて古臭さを感じません。
透過度を調整しているためか背景の写り込みによってベタっぽさを軽減していて、環境光のような処理もクオリティアップに貢献しているように見えます。
また、UIのインタラクション部分でも細かいパーツ分けによる心地よいアニメーションに繋がっている点もすごい。
細かいパーツ分けによるUIアニメーション
ローディング | スキル発動可能 | 勝利 |
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幾何学模様、特に正方形を90度傾けたダイヤ型の形状をベースにしたアニメーションがとにかくよく動いており、みていて気持ちが良いです。
こんなにバリエーションを作れるのか、と感心するほど。
最近はダイヤ型のボタンを採用するスマホアプリはかなり多いです。
普通に配置した長方形をボタンの形状として使用するよりも洗練されたデザインにしやすく、画面内でも形状のアクセントとして映える。
そんな中でも、アニメーションのさせ方に関してはリィンカネがリードしているように感じ見えました。
リィンカネの各画面を見てみる
ホーム画面
リィンカネのホーム画面は特殊で、一般的なスマホアプリのようにお気に入りキャラが立っていて各画面のハブになっている感じではないです。
メインクエストの進行に合わせたステージ風景がそのまま表示されていて、動き出せばすぐにクエストーを進行できるようになっています。
一般的なスマホアプリのお約束からはずれた分、没入感が高まっており、そのクエストの主役がリアルタイムでそこにいる感すら感じます。
プレイヤーとゲームをつなぐ役割は『ママ』と呼ばれるナビキャラクターが勤めており、プレイヤーが置いてけぼりになることもない。
各画面のハブになる画面が右下のボタンを押した際に表示されるボタン群。
これも『ママ』が表示してくれてる感があります。
3Dオブジェクトで表示されているボタンですが、どれも微妙に年代間がミスマッチなようで、それが逆に、不思議と魅力的です。
ストーリー
リィンカネの表現手法の一つとして、メインクエストで閲覧することができるメインストーリーの表現。
絵本のような表現が斬新です。
「なぜ横スクロールなんだろう」と初めは若干の違和感を感じましたが、この表現が逆にシナリオへの興味関心を刺激してつい読みこんでしまいました。
普段はスマホアプリのシナリオはあまり興味が湧かずに読まない場合も多いのですが、こういった工夫で引き込み、さらにシナリオの内容で次も読みたいと思わせる流れが素晴らしいと感じます。
ガチャ
ガチャに関しては最初見た時度肝を抜かれました。
そもそもどの画面も、遷移時に要素が表示される際のアニメーションがまた凝っていて気持ち良いのですが、ガチャ画面のデザインが美しく、アニメーションも「ガチャン」と上から降ってくるような演出がえぐい。
また、人形劇の舞台のようなセット、電飾、背景に配置されたお着物など、おとぎ話のような、ファンタジーを感じるようななんとも言えないデザイン。
他の画面よりもライティングやちょっとした色の変化によって彩色が取り入れられていてスマホゲームの重要なポイントを抑えた設計が良い。
しかもトンマナは外さないので、安心して見られる。
探索(ミニゲーム)
急にシューティングゲームが解放されます笑
何気にリィンカネで一番好きな機能で、ついついプレイしてしまいます。
『ママ』の存在でも感じましたが、独自のぬけ感やハズし方が魅力的です。
そのどれも、どの画面もクオリティを詰め切って出来上がったバランスの上で取り入れられているからこそ光るものだと感じます。
まとめ:NieRシリーズのスマホゲーの期待を裏切らない完成度
久しぶりにインストールしてから毎日ログインして遊んでます。
それくらい、ゲーム性の軽快さもビジュアルの美しさも、シナリオの魅力も感じされるゲームでした。
最近はアジア系のゲームの完成度が高く、日本国内にいてやや寂しさを感じていましたが、なぜだか嬉しくなるくらいのクオリティでした。
ゲームクリエイターに国境はないんですけどね。